2012年12月

釜石施設見学会レポート

   東産協・医療廃棄物委員会 岩手県釜石市の施設見学会レポート

釜石市災害廃棄物中間処理施設、新日鐵住金(株)バイオマス混焼火力発電所施設、ムゲンシステム(株)廃プラ油化処理施設を見学

   医療廃棄物委員会は、11月15日(木)、16日(金)に年一度の施設見学会を実施し、今回は岩手県釜石市にある災害廃棄物処理施設、バイオマス混焼石炭火力発電所、廃プラスチック類・医療廃棄物油化処理施設等を見学しました。神奈川県産業廃棄物協会2社と岩手県産業廃棄物協会1社の医療廃棄物中間処理事業メンバーも加わり、施設見学の合間に3地域の親睦と情報交換を重ねることが出来ました。

〇釜石市災害廃棄物中間処理施設                     

釜石市は災害廃棄物処理を県や国に委ねるのでなく市の単独事業として行っています。災害廃棄物の発生予想数量は82万t、総事業費は188億円に及びます。地元の建設会社主体JVの2工区は主に木屑、金属屑、コンクリートガラのリサイクル事業を行い、大成・熊谷等JV工区は市全域の混合廃棄物を可燃物・不燃物等に選別する中間処理事業と清掃工場や最終処分場等への収集運搬事業を行っています。可燃物は修復した旧清掃工場溶融炉と新設の広域清掃工場溶融炉及び花巻市清掃工場で処理し、不燃物は一関市と八戸市の民間セメント工場及び山形県村山市の民間最終処分場で処理しています。市の方針として、災害廃棄物リサイクルによる資源循環や事業と雇用の地元還元に重点を置くことで、政策的に被災地域の経済的活性化が図られています。現在、順調に予定数量の50%程度処理が進んでいるので平成25年3月末の工期は達成できる見通しです。

〇釜石市表敬訪問      

 釜石市の人口は36,000人、集落は21箇所です。人口の減少と高齢化が進んで、今後の日本が歩む道を一足先に歩んでいます。人口減少を食い止める道は地域産業の振興以外にありません。社会的弱者の高台移転や工業団地・商業地域の建設等津波に負けない新たな街を造る市の復興事業計画は、住民説明会を丁寧に繰返し開きましたので、21集落の合意がほぼ得られています。復興事業費の予算総額は、約1200億円です。

〇新日鐵住金(株)石炭火力発電所       

  当所は近代製鉄発祥の日本最古の製鉄所です。新日鉄発足後の平成元年に高炉を休止したため現在は銑鋼一貫製鉄所ではありません。現在はタイヤ用線材等の生産拠点です。又、新日鉄住金の独立発電事業 (IPP) の拠点であり石炭火力発電による電力を東北電力に供給しています。14.9 万kWの発電に年間25万トンの石炭を使用していますが、釜石地方森林組合と連携して5,000トンの林地残材をチップ化して再生エネルギーとして活用しています。2%の石炭利用削減に加えて、CO2排出削減に貢献しています。

〇ムゲンシステム(株)油化装置      

  東日本大震災の津波災害や福島原発事故を踏まえて、基幹エネルギーの転換が焦眉の急の課題となっています。資源循環を目指すなら、廃棄物処理は社会的コストでなく、地域の足元にある未利用資源を活用する再生エネルギービジネスとして機能できます。

本事業は地球の枯渇資源で自給できない石油から生産された製品の廃プラスチック類について、ゴミとして焼却処理や埋立て処理するのでなく、ボイラー燃料に使用する品質の再生油を得て地域再生エネルギーとして活用します。従って、本事業は地域において廃プラスチック類や医療廃棄物を経済合理的に都市油田に変える資源循環事業を行い、世界の模範となる経済合理的な地域資源循環システムを実現することを目的とします。 

 現在、岩手県と医療廃棄物等産業廃棄物油化処理の事前協議中ですが、油化処理装置に蒸留機能を持たせる事により、混合油の再生油をA重油相当の再生油として蒸留して、商品としての品質を高めて、地域資源循環システムの流通精度を高度化させる計画です。

以上