2013年7月

岩手山の表裏

  岩手山は独立峰であるが、鷲の翼のように峰を南西に奥羽山脈へと拡げている。従って、見る方向で容姿の違いが際立つ。盛岡方面からの眺めは、どっしりとした安定感がある。岩手町方面は、稜線が左右に流れ、孤高の美しさがある。旧松尾鉱山からの眺めは、なだらかな稜線と険しい起伏の非対称の存在感が圧倒的だ。私にとって、この姿が表である。

  国立公園八幡平は、玉川など予約が取れないほど温泉客で賑わう秋田県側に比べ、岩手県側は岩手山の絶景が望めるのにも拘らず衰退が著しい。本土で唯一のパウダースノー・スキー場の閉鎖、八幡平観光ホテルの閉鎖、松尾鉱山病院跡学習院寮の閉鎖、日本百名水の金沢清水トラウトガーデンの閉鎖・・・。44年前の松尾鉱山閉山から、歯止めが効いていない。

  観光の衰退は、人口流出と過疎化を促進させる。三陸沿岸部と共通の地域課題だ。北三陸町のあまちゃん効果は、半年で終わる。岩手県人を育てた岩手山も八幡平も浄土ヶ浜も知る人ぞ知る自然資源であるが故に、日本人の財産であり、世界の自然遺産である。 当面、世界遺産認定の平泉やあまちゃんの久慈から流れてくる観光者のハートをリピーターへと育むことだ。

 温泉の質やアクセスは同レベルなのに、八幡平の西と東で集客力に差が出るのは、岩手県人の怠慢に他ならない。観光客にまた来たいなと思って頂くには、自然資源に甘えるのではなく、手を抜かないサービスが必須である。掃除が行き届いているか、挨拶に感謝の気持ち料理にもてなしの気持ちを込めているか、顧客の満足に努めているか、シャイは言い訳に過ぎない。

岩手山眺望.JPG岩手町岩手山.jpg盛岡の岩手山.JPG